MonsGeek FUN60 レビュー:革新的な磁気スイッチキーボードの実力
2025年2月、MonsGeekからリリースされた「FUN60」シリーズは、ゲーミングキーボード市場に新たな風を吹き込む注目作です。手頃な価格帯からハイエンドまで幅広いラインナップを揃え、特に磁気スイッチと最新技術を駆使したカスタマイズ性が話題を呼んでいます。ここでは、その中でも特に注目度の高い「FUN60 Ultra」を中心に、シリーズ全体の魅力と実使用感をレビューします。

1. デザインとビルドクオリティ
FUN60シリーズは、コンパクトな60%レイアウトを採用しており、デスクスペースを節約しつつ快適な操作性を提供します。エントリーモデルの「FUN60 Pro」や「Max」はABS樹脂製のケースを採用し軽量で持ち運びやすい一方、フラッグシップの「FUN60 Ultra」はアルミニウム製ケースを採用。重量感と高級感があり、タイピング時の安定性が際立ちます。特にUltraのCNC加工による仕上げは、見た目にも美しく、耐久性も抜群です。
付属のPBT製キーキャップは側面印字で耐摩耗性が高く、長期使用でも文字が消えにくい点が好印象。触り心地はサラサラしており、少し滑りやすいと感じる人もいるかもしれませんが、この価格帯では十分以上の品質です。また、ARGBバックライトは500Hzのリフレッシュレートで滑らかな光を演出し、ゲーミング環境を華やかに彩ります。

2. 革新的な磁気スイッチとカスタマイズ性
FUN60シリーズの最大の特徴は、磁気スイッチ(Hall EffectまたはTMRセンサー)を搭載している点です。特に「FUN60 Ultra」のTMR(トンネル磁気抵抗)センサーバージョンは、従来のHall Effectを超える高感度と低消費電力を誇ります。これにより、0.01mm単位でのアクチュエーションポイント調整が可能となり、ゲーマーにとって反応速度と精度の向上が期待できます。
さらに、主要な磁気スイッチ(Akko Glare、Gateron Jadeシリーズ、TTC Kingなど)とのホットスワップに対応。UltraのTMR版では、さらに5ピンのメカニカルスイッチにも対応する「MagMech」機能が追加され、磁気とメカニカルの両方の打鍵感を1台で楽しめるのは驚異的です。MonsGeek Driverを使えば、スイッチ交換後のキャリブレーションも簡単で、自分好みの設定を追求できます。
初期搭載のAkko Glare Magnetic Switchは、安定性が高く、軸ブレが少ないのが特徴。打鍵音は硬めで高音寄りですが、閉じた底部の設計により音質が向上しており、軽快なタイピングが楽しめます。
3. ゲーミング性能:Rapid TriggerとSnap Keyの実力
FUN60シリーズは、競技ゲーマーに向けた機能を多数搭載しています。特に「Rapid Trigger(RT)」は、0.01mm~2.00mmの範囲でキーの作動・解除ポイントを細かく調整可能。これにより、FPSゲームでの「Counter-Strafe」(素早い方向転換)が劇的にスムーズになり、反応速度が求められるシーンで大きなアドバンテージを発揮します。
また、「Snap Key」(SOCD機能)は、最新のキー入力を優先する仕組みで、素早いストレイフや切り返しをサポート。特に『VALORANT』や『Apex Legends』のようなタイトルでその効果を実感できました。ただし、一部のゲームではSOCDが制限される場合もあるので注意が必要です。
有線モードでは最大8000Hzのポーリングレートをサポート(Proは有線のみ、MaxとUltraは無線でも対応)。ワイヤレスモード(2.4GHz)でも低遅延で動作し、ケーブルを気にせず快適にプレイできるのは大きな魅力です。さらに、3000mAh(Ultraは4000mAh)のバッテリーを搭載し、長時間の使用にも耐えます。
4. タイピング体験と音質
磁気スイッチの軽い押下感は、慣れが必要かもしれませんが、調整次第でタイピングにもゲームにも最適化できます。工場出荷時に潤滑済みのスタビライザーが搭載されており、ガタつきが少なく滑らかな打鍵感を提供します。ただし、ABSケースのProやMaxでは、薄さゆえに音がやや軽く感じる一方、Ultraのアルミニウムケースは深みのある音を響かせ、高級感のあるタイピング体験を実現します。
コミュニティでは、「シリコン製のケースフォームを追加すると音質が向上する」という声もあり、カスタマイズ好きにはさらなる可能性が広がっています。
5. ソフトウェアと使いやすさ
MonsGeek Driverは日本語対応で、PCインストール版とウェブ版の両方が利用可能。RT設定やキー割り当てのカスタマイズが直感的で、初心者でも扱いやすいです。ただし、一部のユーザーからは「初期設定がわかりにくい」「説明が不足している」との指摘もあり、改善の余地を感じます。ファームウェアアップデートが定期的に提供されている点は好印象で、今後の進化に期待が持てます。
6. 価格とコスパ
FUN60シリーズの価格は驚異的です。以下は代表的なモデルの税込価格(2025年2月時点):
- FUN60 Pro SP(有線): 5,980円
- FUN60 Max SP(無線): 9,980円
- FUN60 Ultra(無線/TMR): 19,980円
Proは手頃な価格で基本機能を網羅し、Maxは無線対応でバランスが良く、Ultraはプレミアムなビルドと最高スペックを求める人に最適。この価格で磁気スイッチ、RT、SOCD、高 polling rateを揃えたキーボードは他に類を見ません。特に、5,980円から始められるのは、予算重視のゲーマーや初めてのカスタムキーボードユーザーにとって大きな魅力です。
7. 総合評価とおすすめポイント
MonsGeek FUN60シリーズは、革新的な技術と手頃な価格を両立させた傑作です。特に「FUN60 Ultra」は、アルミケースとTMRセンサーによる高精度、磁気・メカニカル両対応の柔軟性が光り、競技ゲーマーやキーボード愛好家に強くおすすめできます。一方、ProやMaxはコスパ重視でライトユーザーにもぴったり。
良かった点:
- 0.01mm単位のRTと調整可能なアクチュエーション
- 磁気スイッチとメカニカルスイッチのホットスワップ(Ultra)
- 高 polling rate(最大8000Hz)と低遅延無線
- 手頃な価格と豊富なラインナップ
改善の余地:
- ABSケースモデルの音質向上
- ソフトウェアの使いやすさ
2025年2月26日の有線モデル発売を皮切りに、3月31日には無線モデルも登場予定。早期予約キャンペーン(10%オフ)も実施中なので、気になる方は今すぐチェックを!

